第2部 日清・日露戦争時代/1901(明治34年)

ロシアが満州を占領。
滝信四郎、店員の生活改善を図る

ロシアが撤兵せず満州を占領

 義和団の乱の後、欧米列強は中国に対する侵略をより露骨に行った。

 なかんずくロシアの侵略はあからさまだった。各国は乱の終結後は撤兵したが、ロシアは撤兵するという約束を何度も反故にして、居座り続けた。明治34年(1901)の末には、10万人のロシア軍が満州を占領するに至った。このロシアの傍若無人な行動は、日本人を恐怖に陥れ、憎しみを増幅させた。

その時佐吉は――もとの武平町工場に戻り織布工場を始める

37歳の豊田佐吉
37歳頃の佐吉『豊田佐吉傅』より

 井桁商會を退いた佐吉は、元の武平町工場に戻って、豊田商会という屋号のもとに、織布工場を始めた。もっとも、佐吉の目的はあくまでも発明にあったので、この工場は発明資金を生み出すためにあった。工場は弟の佐助や妻浅子に任せて、自分は織機の発明に専念した。

 佐吉が自動織機の開発を思い立ったのは、明治34年(1901)のことだった。実際に自動織機が完成したのは大正15年(1926)のことだから、実に25年も要すことになる。この間に佐吉が投じた試験費は優に数百万円を超えていた。

 喜一郎はこの年、名古屋市立共同関治小学校に入学した。

その時、名古屋商人は

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序文

第1部 明治前期

第2部 日清・日露戦争時代

明治27年 日清戦争勃発
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 服部兼三郎
明治28年 日清戦争勝利
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 中日本氷糖
明治29年 ロシアに対して軍備拡張
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 サカツコーポレーション
この年に創業 馬印
明治30年 金本位制確立
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 山田才吉
明治31年 欧米列強が中国侵略
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 大隈栄一
明治32年 義和団が台頭
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 カゴメ
この年に創業 天野エンザイム
明治33年 清が、欧米列強に敗北
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 松風屋
この年に創業 オチアイネクサス
明治34年 ロシアが満州を占領
明治35年 日英同盟成立
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 岩田商会
この年に創業 チタカ・インターナショナル・フーズ
この年に創業 東海廣告
明治36年 日露開戦前夜。大須の遊郭で大火
明治37年 日露戦争始まる
明治38年 日本海海戦で勝利

第3部 明治後期

第4部 「旧町名」を語りながら