1. トップ
  2. 明治時代編トップ
  3. 第1部 教育勅語発布
  4. 桂太郎と料亭香雪軒の娘可那子

第1部 明治前期/1890(明治23年)

その時、名古屋商人は

桂太郎が上前津の料亭香雪軒の娘可那子をみそめる

 桂太郎といえば、内閣総理大臣まで務めた人だが、名古屋に縁が深い。陸軍第三師団長だった当時に、名古屋の女性をみそめ、妻にすることになった。

香雪軒
上前津には八勝館と並ぶ料亭だった香雪軒があった
(●は当時の場所)

 その妻とは、上前津の料亭香雪軒の娘の可那子だ。その香雪軒は、現中区大須4丁目12番地(現在の名古屋市獣医師会館付近)にあった。明治10年(1877)の開業で、八勝館と並ぶ料亭で、政財界の大物を乗せた二頭立ての馬車が毎夜のように止まった。

 明治23年に、桂が陸軍第三師団長になった際に、中京財界の有志で大歓迎会が香雪軒で開かれた。その際に可那子をみそめた。

桂太郎、その右隣が妻可那子
向かって左から3番目が桂太郎、その右隣が妻可那子
『歴史写真集 名古屋再発見』(中日新聞本社)より

 もっとも、桂は「英雄色を好む」という言葉通りで、女性関係も激しい方だった。最初の妻歌子との間に1男2女をもうけた。2番目の妻貞子との間に1男2女をもうけた。可那子は3番目の妻になるわけで、明治24年より事実婚し、明治31年には正式に結婚して、その間には2男1女ができた。

 また、このほかに妾もいた。愛妾として知られる芸者・お鯉(安藤照)とは日露戦争中に山縣有朋の紹介で知り合った。病弱だった本妻可那子に代わり桂の世話をし、総理官邸に「お鯉の間」が設けられたり、日比谷焼き討ち事件では妾宅が襲撃の対象になったりした。

ページの先頭へ戻るページの先頭へ

序文

第1部 明治前期

明治元年 龍馬暗殺
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 伊藤祐昌(いとう呉服店)
この年に創業 峰澤鋼機
明治2年 版籍奉還
明治3年 四民平等
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 九代目岡谷惣助真倖(岡谷鋼機)
明治4年 通貨単位が両から円へ
その時、名古屋商人は・・・
岡谷鋼機が会社を作って七宝焼を世界に売り込む
明治5年 新橋―横浜間に鉄道開通
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 北川組
この年に創業 鯛めし楼
明治6年 地租改正
明治7年 秋山好古が風呂焚きに
明治8年 北海道に屯田兵を置く
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 四代目滝兵右衛門(タキヒヨー)
この年に創業 タナカふとんサービス
この年に創業 青雲クラウン
明治9年 武士が失業へ
明治10年 西南戦争起こる
その時、名古屋商人は・・・
本町のシンボル・長谷川時計を作る
この年に創業 一柳葬具總本店
明治11年 大久保利通暗殺
明治12年 コレラが大流行
明治13年 官営工場が民間へ払下げ
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 安藤七宝店
明治14年 緊縮財政始まる
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 岩間造園
この年に創業 松本義肢製作所
この年に創業 東郷製作所
明治15年 板垣退助暴漢に襲われる
明治16年 欧化を推進、鹿鳴館外交始まる
明治17年 自由民権活動が激化
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 村上化学
明治18年 伊藤博文、初代首相に
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 福谷
この年に創業 服部工業
明治19年 ノルマントン号事件起きる
明治20年 豊田佐吉、発明家として歩み出す
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 林市兵衛
この年に創業 折兼
この年に創業 鶴弥
この年に創業 柴山コンサルタント
明治21年 正岡子規、ベースボールに夢中
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 鈴木政吉
この年に創業 ニイミ産業
この年に創業 丸川製菓
明治22年 大日本帝国憲法発布
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 坂角総本舗
明治23年 教育勅語発布
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 ヒノキブン
この年に創業 笹徳印刷
この年に創業 ワシノ機械
明治24年 ロシア皇太子、斬られる
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 河田フェザー
明治25年 第二回総選挙で、政府が選挙妨害
明治26年 御木本幸吉、真珠養殖に成功
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 奥田正香
この年に創業 西脇蒲團店

第2部 日清・日露戦争時代

第3部 明治後期

第4部 「旧町名」を語りながら