第1部 明治前期/1872(明治5年)

新橋-横浜間に鉄道開通。
三井組が名古屋に進出

新橋―横浜間で鉄道が開通

 明治5年(1872)は、文明開化の象徴ともいうべき鉄道が日本で始めて走った記念すべき年だった。

 鉄道は、新橋‐横浜間で開通した。距離は29キロだった。この開通式当日は、明治天皇をはじめとする大物が勢揃いして、開業式が行われた。

その時名古屋は―三井銀行の前身が名古屋に進出

 三井銀行の前身である三井組は、明治5年(1872)に名古屋に進出した。

 新政府は明治5年、大蔵省が府県為替方設置を公表し、府県の公金出納を為替方3家(三井・小野・島田)に扱わせる指令を公布した。

 三井組の愛知県への進出場所は、現在の中区錦2丁目8番地だと思われる。そこは現在駐車場になっている。旧町名で語れば伝馬町である。この伝馬町は、桜通の南側の道路で、現在では一方通行の狭い道だが、そこは美濃街道であり、交通の要所だった。「伝馬」とは、馬を乗り継ぐという意味である。

 この三井組の進出は、金融機関が軒を並べる濫觴となった。それに続いて、名古屋銀行(旧東海銀行の前身)、明治銀行、関戸銀行、第一銀行などが相次いで出店して〝明治名古屋のウォールストリート〟に発展することになる。また近くの本町通には、愛知銀行(旧東海銀行の前身)もあった。

 三井組は、明治9年に日本で初の私立銀行である三井銀行になる。それに伴い、愛知店は三井銀行愛知一等出張所になった。

その時、名古屋商人は

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序文

第1部 明治前期

明治元年 龍馬暗殺
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 伊藤祐昌(いとう呉服店)
この年に創業 峰澤鋼機
明治2年 版籍奉還
明治3年 四民平等
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 九代目岡谷惣助真倖(岡谷鋼機)
明治4年 通貨単位が両から円へ
その時、名古屋商人は・・・
岡谷鋼機が会社を作って七宝焼を世界に売り込む
明治5年 新橋―横浜間に鉄道開通
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 北川組
この年に創業 鯛めし楼
明治6年 地租改正
明治7年 秋山好古が風呂焚きに
明治8年 北海道に屯田兵を置く
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 四代目滝兵右衛門(タキヒヨー)
この年に創業 タナカふとんサービス
この年に創業 青雲クラウン
明治9年 武士が失業へ
明治10年 西南戦争起こる
その時、名古屋商人は・・・
本町のシンボル・長谷川時計を作る
この年に創業 一柳葬具總本店
明治11年 大久保利通暗殺
明治12年 コレラが大流行
明治13年 官営工場が民間へ払下げ
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 安藤七宝店
明治14年 緊縮財政始まる
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 岩間造園
この年に創業 松本義肢製作所
この年に創業 東郷製作所
明治15年 板垣退助暴漢に襲われる
明治16年 欧化を推進、鹿鳴館外交始まる
明治17年 自由民権活動が激化
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 村上化学
明治18年 伊藤博文、初代首相に
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 福谷
この年に創業 服部工業
明治19年 ノルマントン号事件起きる
明治20年 豊田佐吉、発明家として歩み出す
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 林市兵衛
この年に創業 折兼
この年に創業 鶴弥
この年に創業 柴山コンサルタント
明治21年 正岡子規、ベースボールに夢中
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 鈴木政吉
この年に創業 ニイミ産業
この年に創業 丸川製菓
明治22年 大日本帝国憲法発布
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 坂角総本舗
明治23年 教育勅語発布
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 ヒノキブン
この年に創業 笹徳印刷
この年に創業 ワシノ機械
明治24年 ロシア皇太子、斬られる
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 河田フェザー
明治25年 第二回総選挙で、政府が選挙妨害
明治26年 御木本幸吉、真珠養殖に成功
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 奥田正香
この年に創業 西脇蒲團店

第2部 日清・日露戦争時代

第3部 明治後期

第4部 「旧町名」を語りながら