第3部 明治後期/1909(明治42年)

その時、名古屋商人は

この年に創業 名古屋のコーヒー業界の草分け 松屋コーヒー

 松屋コーヒーは、明治42年(1909)松下こう(明治15年生まれ、松下和義現社長の祖母)の副業により名古屋市中区裏門前町1‐57(当時の住所)で創業した。といっても創業当時は、雑穀や砂糖等を扱う食料品店で、コーヒー店は副業だった。

 その夫の秀彦(明治8年生まれ)は尋常小学校の教師だった。その妻が副業で始めたのである。

 その裏門前町という地域は、明治43年に第10回関西府県連合共進会という博覧会が鶴舞公園で開催された時、その仕事をあてこんで各地から建具屋、指物屋が集まってきて、東海地区随一の家具屋街に発展していた。その賑わいの中での開店だったと推察される。

 大正8年(1919)になると、秀彦が教師の定年になり、店を本業にするようになった。その頃からコーヒーの豆を売るようになった。

 昭和の初期には、大須の万松寺の近くで喫茶店を開業して、自ら喫茶店を営むようになった。

 昭和14年(1939)には秀彦が亡くなり、後を子の真が引き継いだ。会社としての基盤は、この真の代で築かれた。そして昭和61年には真が亡くなり、後を和義氏(現社長)が引き継いだ。

 本社は、名古屋市中区大須3‐30‐59。

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序文

第1部 明治前期

第2部 日清・日露戦争時代

第3部 明治後期

明治39年 戦後の好景気、株式ブームへ
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 山田商会
明治40年 株価暴落
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 ノダキ
この年に創業 ハナノキ
この年に創業 渡邊工務店
この年に創業 江口巌商店
明治41年 アメリカで「T型フォード」が発売
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 安井ミシン商会(現・ブラザー工業)
この年に創業 ヨモギヤ楽器
この年に創業 星野楽器
この年に創業 丹羽幸
明治42年 アメリカで排日運動
その時、名古屋商人は・・・
明治名古屋を彩る どえりゃー商人 福澤桃介
この年に創業 松屋コーヒー
この年に創業 タケヒロ
明治43年 石川啄木『一握の砂』刊行
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 キベ
この年に創業 井上
この年に創業 OMC
明治44年 関税自主権回復
その時、名古屋商人は・・・
この年に創業 大竹製作所
明治45年 明治天皇崩御

第4部 「旧町名」を語りながら